「早く出て行け!」という父の言葉は、私にとってはエールにしか聞こえませんでした。なぜなら父は、私のことを1番に理解してくれていて、いつも私のことを応援してくれていたからです。これは私が大学生のとき、就職活動を始めようとした私に向かって、父が言った一言でした。私は四年制大学の経営学部を専攻していて、将来はどこかしらの企業に就職をし、経理事務を務めてみたいと考えていました。働く職場にはあまりこだわりがなかったものの、経理という、お金に関わる仕事をしたいと思っていました。

それは、その会社の中で、どういった商品にニーズが高く、どういったものが世間から求められていて、結果的にどのようにお金が巡っているのかということが、手に取るようにわかる仕事だと思ったからです。事務という、表舞台に立たない役職でありながら、会社の経営には大きく携わることのできる経理という仕事は、魅力的で仕方ありませんでした。そこで私は、就職活動をするにあたって、経理事務の新卒採用枠のある会社を探していたのです。私には、新卒採用で就職が決まったときには、もう1つ実現したい目標がありました。

それは、実家を出て自立した生活を送るということです。私は生まれてからずっと、両親に大切に育てられてきました。だからこそ、就職と同時に実家を出て一人暮らしをし、両親に働く私を見て安心してほしいと考えていたのです。そこで私は、その意思を「就職が決まり次第、この家を出て行きます。」と伝えました。すると父に、「早く出て行け!」と言われたのでした。この父の言葉は、私には「がんばれ」としか聞こえず、私はより就職活動を頑張ろうと思うことができました。そうして私は、経理の新卒採用枠のある会社に続けてエントリーを繰り返し、面接を受ける日々を送っていきました。その面接では、経理という仕事に感じる魅力を語り、私がその仕事にどれだけ尽くしていきたいかということを伝えました。そして私は、ある建築会社の経理事務員として、新卒採用していただくことに決まったのです。この採用通知を受け取ったとき、1番にそれを伝えたのは、もちろん両親でした。そこで母は喜んでくれましたが、父はそっぽを向いていました。それでも私は、喜んでくれていることが伝わってきて、就職活動に成功することができてよかったなと思いました。そして私は、両親に伝えた通り、実家を出て自立することができました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*